平成19年度 《特別講演会》 内容

−『資源・エネルギー』『環境』『産業・経済』の融合−

我々は、地球規模での「環境保護」「資源・エネルギーの有効利用」「産業・経済の発展」という複雑に絡み合う3つの要因のバランスを保ちつつ、いかに未来を切り拓いて行くか、の難問を抱えています。
 本会では、この難問に対し、各々の要因における最新技術動向や法律問題、産業界や国の取組み等々を取り上げ、これまでに「地球環境問題へのスーパーコンピュータの応用」「地球シミュレータ計画」「燃料電池」「微量化学物質を検出する携帯型バイオセンサー装置の開発」「環境税導入の日本経済・エネルギーに及ぼす影響」「光触媒技術の最新動向と応用分野」「省エネ評価手法の開発」etc…の講演会・シンポジウムなどを開催し、藤嶋昭先生((財)神奈川科学技術アカデミー理事長)、伊藤利朗先生(三菱電機叶齧ア取締役)、三菱電機増島勝先生(TDK椛纒\取締役専務)や産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NED)、理化学研究所、宇宙開発事業団、日本原子力研究所など産・官・学から多くの諸先生方に御協力を頂戴してきました。
 本年は、次の通り開催します。


T.資源・エネルギー

テーマ:色素増感型太陽電池
講 師:内田 聡 先生
    東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教授

【講演概要】
この太陽電池はシリコン半導体を使わず、ヨウ素溶液を介した非常にシンプルな電気化学セル構造をもつのが特徴で、電解質溶液の酸化還元反応を伴うことから「光合成」に例えられたりする。また、高価な半導体用高純度シリコンを使わないことと、作製に大がかりな設備を必要としないことなどから、低コストの太陽電池として大きな期待が寄せられている。購入者の初期投資を回収できる可能性をもった唯一の太陽電池について、今後の可能性の検証とこれからの動向について詳述する。

U.環  境

テーマ:マイクロバブル・ナノバブルの可能性
    −微小な泡は応用技術の宝庫−
講 師:高 橋  正 好  先生
    独立行政法人 産業技術総合研究所 環境流体工学研究グループ

【講演概要】
通常のバブリングでは100μm以下の気泡の生成は不可能とされていたが、気液の特殊な方法の混合で、直径50μm以下のマイクロバブル、直径1μmに満たないナノバブルなど超微小な泡の生成が可能となった。この微小気泡を工学的に利用してバイオ関連や有害化学物質の分解、その他応用する研究が活発になっており、この応用展開を切り開いた講師
が詳述。

V.産業・経済

テーマ:エコマテリアルの今後の課題と展望
講 師:原 田  幸 明 先生
    独立行政法人 物質・材料研究機構 材料ラボ ラボ長

【講演概要】
エコマテリアルの理念は、1990年代の初頭に日本で提唱された。それ以前にも環境問題に対する材料技術は存在していたが、それは、材料の使用における機能性追求の延長にすぎなかった。我々が提唱するエコマテリアルとは、資源―製造―廃棄といったライフサイクル全体を見通して環境負荷の最小化を目指すところに従来の環境材料のアプローチと異なる新たな視点がある。技術開発の現状・展望について詳述。

★開催日時:平成19年6月3日(日) A.M10:00〜P.M5:00
  テーマ: T.色素増感型太陽電池        (A.M10:00〜P.M12:00)
       U.マイクロバブル・ナノバブルの可能性 (P.M12:45〜2:45)
       V.エコマテリアルの今後の課題と展望  (P.M3:00〜5:00)

★会 場:東京八重洲ホール(会場図はここをクリック
       東京都中央区日本橋 3-4-13 03-3201-3631

★定員: 100名(スクーリング希望の場合)定員になりしだい締め切ります。
        
☆ 受講料: 会 員=無 料
        一 般=1テーマ:15,000円   全テーマ:40,000円

★申込期限:平成19年5月28日